北条プレーパーク活動報告

今年で2回目となる秋の北条プレーパーク。
晴天に恵まれ、12月にも関わらず寒くもなく風もなく遊び日和となりました(*^^*)

img_4103-2↑土手すべり・・・今は土手で遊ぶ姿も少なくなったけど、ダンボールさえあれば遊べる最高の遊びです!

img_4074-2↑コマの名人、岡本さんが来てくれました。コマが回せなかった子どもたちがどんどん上手になっていく。私もベーゴマ回せるようになりました!ベーゴマバトルやりますよ!!!

15326533_371267483222465_8133728475303309643_n↑木工広場・・・今日も大盛況!どんなものが出来上がったかな?

img_4098-2↑そ、そ、そして12月でも川で魚を取り、植物採取をして楽しむ子が・・・

img_4107-2↑こんな里芋をゲット!

15202709_371267566555790_8489775649702048891_n↑でも一番人気は食べること!自分たちで粉からこねてまきまきパンの出来上がり!めっちゃ美味しそうに出来上がっていましたよ。

img_4080-2↑出張プレーパークのための手作りの車もできました!

img_4088-2それから聖カタリナ大学のジャグリング部が技を見せに来てくれました。音楽も本格的で技もすごい!

img_4084-2↑それから出張駄菓子屋もやりました!おかげさまで大盛況でした!ありがとうございます。

img_4086-2こんな感じで今回も100人以上の参加者で盛り上がりました。

行政ではなく住民主体のイベントで、みんながともに助け合いながら地域の子どもたちのためにこのイベントは運営されています。「やらされる」お手伝いではなく、お母さんも子どもたちも「こんな遊び場あったらいいな~」という思いからのスタートです。来年もこうした思いの人に支えられイベントが実施できることを願っています。

外遊びを推進する自治体の人の話を聞こう 全国集会報告⑤

外遊びを推進している自治体が全国でも増えています。2013年度に調査した冒険遊び場づくり活動実態調査によれば、行政が直営でプレーパークを運営しているのが4ヵ所、行政とパートナーシップでプレーパークを運営しているのが59ヵ所、パートナーシップは組んでいないが行政からの何らかの支援を受けてプレーパークを運営している所が76ヵ所でした。

この調査から3年、今年も活動実態調査が行われていて、結果が間もなく出るのですが、前回よりも自治体とのパートナーシップを組むプレーパークは増えていると思われます。

こうしたことから今回の分科会では地域住民が運営するプレーパークを支援している自治体3か所から行政職員が来てお話を聞かせてくださいました。

横浜市の場合

横浜市は横浜市環境創造公園緑地維持課の管轄でプレーパークが運営されています。横浜市のすべてのプレーパークが仲間となり「横浜にプレーパークを作ろうネットワーク(YPA)」が立ち上がり、そこへ運営などを依頼しながら、地域にプレーパークが増えることを横浜市が応援しています。現在24か所のプレーパークが活動を続けています。昨年度の年間活動回数は1268回。延べ178550人、1回平均140人の参加者がプレーパークに来ることになりまります。

このことは、横浜市中期4か年計画(2014年~2017年)基本政策の中に盛り込まれています。

またどのような事業にプレーパークのことが書かれているかというと、「子ども・青少年の健全育成に向けた支援」(P53)の中で、青少年施設と野外活動センターと同じところにプレーパークでの体験プログラムの拡充が盛り込まれています。

リスクマネージメントとしては、プレーリーダーの養成、事故記録を必ず取り市役所の関係機関に報告し、定期的に事故のロールプレイを盛り込んだ研修を実施しているそうです。また、プレーパークを開催するにあたりどのような支援があるのか、また補助金のシステムはどうなっているのかも、都市公園法に基づく安全な公園利用も考えた要綱なども作られていました。

岡山市の場合

岡山には「おかやまプレーパーク」(岡山市)「備前プレーパーク」(備前市)「おーいみんなあそぼう!」(倉敷市)「岩原山冒険遊び場」(笠岡市)などの団体が活動していて、ネットワークで繋がり長年活動しています。その中でも中心的な存在が「岡山プレーパーク」を運営しているNPO法人岡山市子どもセンターです。子ども劇場の活動もしながら、学習支援や復興支援など幅広く子どもたちの健全育成のために動いています。

こうした民間での活動実績がきっと行政を動かしたんだと思います。

岡山市子育て支援課が「岡山市プレーパーク普及事業」ということで、子どもたちの遊ぶ声が聞こえてくる地域づくりを目指し、平成27年度から平成31年度まで事業を実施し、内容としては岡山市内にプレーパークを増やすための出張プレーパークを定期的に開催し、プレーリーダーを養成します。この財源としては国の地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金(地方創生先行型)を利用しています。

岡山の場合はまだ、プレーリーダーの人件費や運営資金ができいるわけではありませんが、活動による保護者や子どもたちの変化を見れば、きっと行政もプレーパークに予算をつけることが子どもの健全育成につながることに気づいてくれると願っています。

福岡県宗像市(むなかたし)の場合

宗像市には「宗像市市民サービス協働化提案制度」というのがあり、この制度は、市が行っている全ての市民サービスに関する情報を公表し、市民活動団体、コミュニティ運営協議会、民間事業者(以下「民間団体等」という。)がノウハウ、アイディア等を生かして、これまで市が行っていた事業について、民間団体等が自ら企画立案した上で提案し、採択された後、市と協働で事業を実施していくものです。

この制度に申請した「子ども支援ネットワーク With Wind」が「むなかたプレーパーク」を運営しています。

また「子ども支援ネットワーク With Wind」は2007年12月から、宗像市で子どもが育つ環境について考え、「子どもが、自ら選んで自由に遊ぶ」場をつくる活動を続けていて、2012年4月に、「宗像市子ども基本条例」が施行されたことから、これを具現化し、子どもの豊かな成長を支援するためには、子どもの遊ぶ環境を理解する大人がもっと必要だと考え、2012年6月4日に「子ども支援ネットワーク With Wind」を立ち上げたそうです。

宗像市の行政職員の方はとてもお話が前向きで明るくていいな~と思いました。そして自分の街のこともアピールしてくださって、その中でも沖ノ島というのは「海の正倉院」と言われていて、銅鏡、鉄剣、勾玉など、古代の祭具が数多く発見され、この島が国家あげての祭祀場だったらしく、出土品は8万点がすべて国宝に指定されたそうです。現在世界遺産にも登録申請をしていると聞くとちょっと気になる島でした。

その他・・・

お話を聞きながら思ったことですが、プレーパークを地域住民が運営しながら地域の子どもたちや地域住民を巻き込みその結果、行政の仕事も減らしていく。そしてまちづくりをしていきながら、市民一人一人が自分たちの街だという自覚を取り戻すことが大切なのではないでしょうか。地域で起きていることは「タニンゴト」ではなく「ジブンゴト」と捉えられる市民をもっともっと増やしていくこと、プレーパークをすることはそうした市民を増やすことにつながるのではないかと感じてきました。

プレーパーク活動を長年続けてくると、そうした未来への可能性が見えるので続けることができるし、コツコツと市民や行政からの信頼を勝ち取る必要性も見えてくる。その長年の先輩たちの功績が補助金や協働等の支援につながっているんじゃないかと思います。

愛媛でもなんとか行政に理解してもらい、プレーパーク活動を増やしていきたいと思っています。
それから・・・私は日本冒険遊び場づくり協会の四国運営委員ですので、四国内にもプレーパークを増やすべく動こうと思っています。もしやってみたいという方は連絡くださいね!

子どもの遊ぶ笑顔が地域を創造する 全国集会報告④

今回の全国集会の問題提起は「子どもの遊ぶ笑顔が地域を創造する」

第7回冒険遊び場づくり全国研究集会は震災から5年経つ宮城県仙台市の東北自治総合研修センターで開催されました。

被災から5年、被災地には多くの遊び場が誕生しました。なぜこれほどまでに子どもの遊び場が重要視され始めたかというと、遊びこむことで子どもの心が復活して笑顔を取り戻していくことが分かったこと、逆に被災地の大人はその笑顔に勇気づけられて元気になってきたこと、そしてその中で地域の絆を強くしていくことが実感できたからです。つまり「遊びを通じた子どもの心のケア」の大切さが今理解され始めてきているのです。

子どもの笑顔=地域の活力=そして地域を創造する力 となるためにはやはり子どもはのびのびと元気に遊びながら育たなくてはいけません。そのために地域の私たち一人ひとりがやらなければいけないことを考え、行動に移すために全国の仲間が集まりました。

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気仙沼あそびーばーの鈴木美和子さんの話

2011年4月に日本冒険遊び場づくり協会が地域に呼びかけ、気仙沼市本吉町寺谷(てらがい)地区に開設した手づくりの冒険遊び場 気仙沼あそびーばーができました。鈴木さんは震災の時は、津波で家を流された人や泥だらけで逃げてきた人や家族を亡くした人など120人のお世話をして、地域の子どもたちがどこにいたのかもわからなかったそうです。きっとみんな家から出られなかったのか避難所にいたんだと思うのですが、目の前の人を救うのに必死で見えなかったんだと思います。それから鈴木さんの兄弟の家も流されていましたが、そのお手伝いにも行けない状態が続いていたそうです。

その中で始まった遊び場ですがいろいろな発見がありました。子どもが楽しそうに遊ぶ姿に地元のお年寄りが元気を取り戻し、今では遊び場を維持するために、しめ縄を作ったり小物を作ったりして、運営資金を必死に作るお手伝いをしてくれています。

鈴木さんのお孫さんがその当時小学校3年生だったのですが、子どもたちの体力のないことにも驚いたそうです。ターザンロープや高いところからジャンプをしたりして遊ぶこともなく、マッチも使ったことがない子どもが増えていることに遊び場ができるまで気づかなかったことにもショックを感じていたようです。

現在は、住民自身が遊び場をサポートしようと、「気仙沼あそびーばーの会」を2013年4月に設立し、代表の鈴木美和子さんとプレーリーダーを中心に、保護者や地域の高齢者がボランティティアとして協力して継続開催しています。

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特定非営利活動法人こども∞感ぱにー

子ども達がいつも笑顔でいられるために、それを守るのが大人の役目だと思っています…

震災からこれまでの2年間は、子どもたちのあそび場作りと、子どもたちの笑顔を通じて地域の方たちの集まる場所作りに携わらせていただきました。震災当初からしばらくの間、ずっと胸の奥に違和感を感じながら活動を続けていたのですが、それが何か気付いたのは6月に入ってからでした。

あるアーティストチームが石巻を訪れ、子ども達と一緒に映画館作りをした一週間、夕方になると学校から帰ってきた子ども達が会場のある集落の中心部に集まり、映画館のアイディアだしから制作と、あれやこれや言いながら楽しい笑い声であふれかえりました。その集落は漁師町で、船も家も港も…津波によって何もかも失い、大人たちは絶望のあまり将来を考えることすらできなくなっていたように思えます。この頃の街は、崩壊した家の山とコンクリート…あたり一面の乾いた泥で、茶色と灰色の2色でした。そこに子ども達の笑い声が響き渡ったに時、まるで天からの光が差し込んだかのように、町がぱぁっと明るくなったように感じました。

子どもの親御さんが「俺たち大人は元気がなかったけど、こうして子ども達が笑っていると元気をもらうんだよな。けろちゃん、あそび場作ろう!」

それから、子ども達のあそび場作りが始まりでした。子ども達にとっての遊びは、想像力を掻き立て、それを実行・実現することで創造力を培い、自己の発見を繰り返していきます。そして一人では決して学ぶことのできない社会性や協調性を学び、成長していくためのたくさんのエネルギーを交換し合うんです。

でも、震災後、残念なことに遊び場は減少してしまいました。津波によって、海に近い公園は「危険区域」として立ち入りができなくなったり(例えできたとしても、怖くて近寄りたくない子もいます)、瓦礫置き場や仮設になった場所も少なくありません。

仮設暮らしから復興住宅に移るまでのあと数年、学校の校庭で遊べるまであと一年。

大人にとっての一年と、多くを学び吸収する子どもの一年は、同じではありません。

例え一人でも、遊びたいと言う子どもがいたら、思いきり遊ばせてあげたいなぁ~って思います。

今までやってきたあそび場作りは、すべて地域の人たちと一緒に行ってきました。遊び場を作りたいという声は、はじめはぽつぽつですが、やっていくうちに、気が付くと親御さんはもちろん、たくさんの近所の人たちがあそび場にやって来て、一緒に子ども達と過ごしています。

子どもが元気だと、大人も元気になる!

「新しい環」が子どもを通じて生まれているんだと思います。

そして私たちも、子ども達からは笑顔と元気をもらっています。

地元の方たちが遊び場でお話ししていってくださる時間が、ほっこりする時間になっています~

ここに来たきっかけは、震災後のいろいろなお手伝いでしたが、でも今は、子どもたちの成長を見守る一人の大人として、地域の方たちと一緒に子ども達の笑顔を増やしていきたいと願っています。

子どもは宇宙の宝。

大切な宝物を、いつも笑顔いっぱいにするのが、私たち大人のお役目なんだろうな…と思いながら、毎日楽しく動き回っています。

一緒に楽しみましょう~!

皆さんとの出会いに感謝。

大自然に生かされていることに感謝です。

こども∞感ぱにー 代表 けろ
※この内容は特定非営利活動法人こども∞感ぱにーのHPより引用しています。

豊島子どもWAKUWAKUネットワークの子ども食堂 全国集会報告③

今回の記念フォーラムの3人目の登壇者はNPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク代表で、池袋本町プレーパーク代表の栗林知絵子さん。

2003年からプレーパークを開催していて、子どもたちと関わるうちに塾に通えない子どもたちのための学習支援も行って、現在は4か所で子ども食堂も開催し、これまでの活動をふまえ宿泊施設が必要と考え、”WAKUWAKUホーム”を設立することとなり、宿泊にも対応できる子どものための居場所づくりに力を入れているそうです。

どうしてそこまで活動が広がったのか?
どうして今子ども食堂なのか?
プレーパーク活動を続ける私にとってはとても気になる存在なのが栗原さんでしたので、今回のお話はとても興味深く聞かせてもらいました。
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地域を変える 子どもが変わる 未来を変える

豊島子どもWAKUWAKUネットワークのキャッチコピーは、「地域を変える 子どもが変わる 未来を変える」。この言葉には、どんな子どもであろうとも生まれた時から等しく持つ、「未来の可能性」への思いが込められている。「貧困も虐待も連鎖します。けれど、子どもは変わることができると私たちは思っているんです。『子どもを変える』じゃなくて、『子どもが変わる』。それには、まず地域が変わらなくてはいけない。地域を変えることによって、子どもが変わっていくんです」・・・

熱く、笑顔でお話しされる栗林さんに共感しつつも、長年活動しながら同じ気持ちで動いてきても賛同者がなかなか増えない愛媛の実状にどうしたものかと悩みながらお話を聞かせてもらった。でも、直接、栗林さんのお話を聞くと、「私もプレーパーク活動をやってきたけど10年間ずっと仲間が増えなくてどうしたものかと悩み続けてきたんです。ところが子ども食堂はなぜかどんどん仲間が増えていく。誰でも関わりやすいというのが良いのかもしれませんね。」というお話だった。

確かに、子ども食堂は、作り手確保や食材の寄付、安い金額で食べることができることからも仲間が必要だし増えやすいシステムなのかもしれない。みんなで一緒にご飯を食べると心も温かくなるからその効果で拡散するのかもしれない。

やってみる

栗林さんの行動力もすごい。子どもの貧困問題について悩んだときは「年越し派遣村」を開催した湯浅さんの講座に1年間通ったり、子どもが生まれた時にアレルギーに苦しんだときには毎日の学校給食のパンを天然酵母で作った卵と牛乳の入っていない給食と同じパンを学校に持たせたり、プレーパークで関わった中3の男の子が「都立の高校は無理」と言われて落ち込んでいる時は無料学習塾を自宅で開いたり、とにかく行動力がある人だとも感じた。でも家庭に余裕があるわけでも、地域に支援が多いわけでもない。栗林さんの行動力がその周りの人たちに共感を生み、それが地域の支援者を増やしているのではないだろうか。

愛媛だからできること

子どもたちの健全育成を考えるとき、希薄化した社会が蔓延するこの時代には「子ども食堂」「児童館」「プレーパーク」などの「子どもの第3の居場所」はとても重要な位置を占め、尚且つ民間の力で運営できるエネルギーを持った地域を育てる必要を感じている。

愛媛だからできること。地方だから動きたくなること。そしてこれまで地域変革に保守的な地域といわれてきたけど、その問題点は何なのか?そのための方法はプレーパークだけではないわけで・・・。私としては都会のまねばかりをしていても問題は解決しない気がしていて、学ぶことは学び、動けることは動き、協働した方が良いものは協働してみる。愛媛だからできることをもっともっとみんなで考えていく必要を感じている。

子ども食堂を作ってみたいあなたへ

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これから子ども食堂を地域でやってみたい人にお勧めの本がでました!Q&A方式でわからないことに答えてくれるのでとても分かりやすいし、子ども食堂が始まるまでのいろいろな出来事も書かれていて読み応えもあります。

困難を抱える子どもたちの支援・にんしん、養子縁組相談 全国集会報告②

記念フォーラムの二人目の登壇者は一般社団法人アクロスジャパンの小川さんという女性でした。

一般社団法人 アクロスジャパンでは、予期しない、のぞまない妊娠、中学、高校生の娘が妊娠してしまった、産んでも子育てが出来ない、子どもがいらない、捨ててしまいたい、お産できる医療施設が見つからない、お産費用がなくて困っている妊婦さん、イライラし子供を虐待してしまう、ギャンブルから抜けれない妊婦さん・・・
そんな女性の相談を24時間、全国から受けている団体です。

そしてここでは特別養子縁組のコーディネートにも力を入れているようです。

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今、日本では社会的養護を必要とする児童(0歳~18歳)が46000人います。そのほとんどの子どもが施設で家庭を持たずに暮らしています。最近になって里親制度やファミリーホームを推進し始めている県も増えてきました。しかし、愛媛県はまだまだ遅れており、里親制度を使っている子どもは9.6%に留まっています。※社会的養護の現状について参照

しかし、外国ではできる限り家庭の中で子どもは育てるべきという考えが一般的なようで、オーストラリアでは93.5%、アメリカでは77%が里親の下で暮らしています。

そして今回はお話を聞いて、里親とは違う、本当の親子関係として子どもを育てる特別養子縁組の制度を知りました。

特別養子縁組とは

原則として6歳未満の子どもの福祉のため特に必要があるときに、子どもとその実親側との法律上の親族関係を消滅させ、実親子関係に準じる安定した養親子関係を家庭裁判所が成立させる縁組制度です(6才未満から事実上養育していたと認められた場合は8才未満まで可能)。そのため、養親となる者は、配偶者があり、原則として25歳以上の者で、夫婦共同で養子縁組をする必要があります。 また、離縁は原則として禁止です。

養親は子どもが小さい時から思春期時代、そして成人した後も支え見守り続けてくれる、永続的な親の愛情を提供する存在となり、子どもの健全な成長発達にふさわしい家庭環境を提供していきます。こういうわけで、2009年に国連総会で採択された「子どもの代替養育に関するガイドライン」では、産みの親とその親族の次に養子縁組が推奨されています。

子どものための特別養子縁組

特別養子縁組は、子どもの福祉のためにあるものなので、「跡取りがほしい」「五体満足の子ども希望」「産みの親に病気がない子、胎内環境がよかった子希望」「子どもさえいれば夫婦関係がうまくいくはずなので」などという養親の希望によって進めるものではありません。

特別養子縁組になる子どものほとんどは、予期しない妊娠、とくに貧困、レイプ、学生、風俗、パートナーの裏切りなど、女性にとってはとても複雑で苦しい状況の中から生まれてくる子どもです。

つまり、愛情豊かに胎内で育まれ、平和な状況で委託に至るということはほとんどありません。どんな環境で芽生えた命でも、将来的にどんな病気や障害が出ようとも、自分の子どもとして一生責任をもって守り、愛情豊かに育てていく決意が養親には必要です。

この決意は、自分が出産した子どもの場合でも同じでしょうから、特別養子縁組なら希望する子どもを選べるということはないはずです。

困難を抱える子どもたちの支援として

特別養子縁組制度を推進している団体にもいろいろありますが、アクロスジャパンは実際に団体代表が養子縁組で男の子を育てていて、冒険遊び場の副代表の佐々木さんも養子縁組を経て現在3人のお子さんを育てておられます。その姿を拝見し、この形もいいのではないかと感じました。ただ世の中には生んだ側と育てる側のコーディネートをネットなどで行い、ビジネスとしてしか考えていない団体もあるようで、今後は法制度がしっかり整うことが求められていますが、日本ではまだその辺りが遅れているようです。

本来子どもは親の元で育つのが一番幸せなのだとは思いますが、望まぬ子どもを産み育て虐待を受けるよりは、他の制度の中で子どもが育つ方が良い場合もあります。一人一人の最善の方法を考えながらもっと柔軟に選択できる社会になればと願っています。

次の土曜日は北条プレーパークだよ~(^^)/

今年も松山市北条の立岩川水辺公園でのプレーパーク開催します。

秋も深まり、寒さ到来?!
そんな中で、まきまきパンを作りみんなで楽しく遊びませんか(^^)/

日時:12月3日(土)10:00~16:00
※雨の場合は12月4日(日)に開催します。
場所:立岩川水辺公園
参加費:無料
参加申込:不要、どなたでも参加できます。
内容:土手すべり、木工ひろば、手作りブランコ、まきまきパン、川原の自然観察、ベーゴマ大会、聖カタリナ大学学生サークルによるジャグリング&ワークショップ
服装:汚れてもいい服装
持ち物:いつ来ていつ帰ってもいいので基本的には必ず必要とするものはありませんが、楽しく遊び始めるお子さんの場合は着替え、水筒、お弁当があった方が良いかもしれません。

問合わせ先:せとうちリュックサック
070-5682-6411(上野)

子どもの貧困が日本を滅ぼす 全国集会報告①

今回の冒険遊び場全国研究集会の前日に行われた記念フォーラムのテーマは「困難を抱えた子どもへの支援と冒険遊び場づくりの可能性」と題して行われました。

最初の登壇者は、日本財団で「子どもの貧困対策プロジェクト」に関わっておられる青柳光昌氏で、日本財団では今年度子どもの貧困対策に関する調査を行い、今後どのような支援が必要なのかをまとめ、そのプロジェクトを実施しているそうです。

子どもの相対的貧困率の推移現在6人に1人の子どもが貧困状態といわれる日本。
しかし、子どもの貧困対策に関する調査も施策も今までほとんど何も考えられてきませんでした。ただ、市民の中にはそうした子どもたちの変化に気が付いて何かしなければと動き出している人が増えてきていることは事実です。

冒険遊び場活動もその一つですが、「子ども食堂」や「学習支援」、「子どもの居場所づくり」の必要性を多くの市民が感じ始めています。

子供の貧困が日本を滅ぼす 社会的損失40兆円の衝撃

こうした中、子どもの貧困は決して「他人事」ではなく、国民一人ひとりに影響しうる「自分事」であると多くの方に認識していただくため、日本財団は、子どもの貧困の放置による経済的影響に関する日本初の推計を行いました。

この調査では、子ども時代の経済格差が教育格差を生み、将来の所得格差につながるという想定のもと、現状を放置した場合と、子どもの教育格差を改善する対策を行った場合の2つのシナリオを比較しました。
わが国では、最終学歴や正規・非正規といった就業形態による所得の格差が存在するため、教育格差が生涯所得に大きく影響します。改善シナリオでは、現状を放置した場合に比べ、大卒者の増加や就業形態の改善によって生涯所得が増加するほか、所得増に伴い個人による税・社会保障費用の支払いが増えることで、国の財政負担がその分軽減されることになります。

この差分を社会的損失として算出すると、子どもの貧困を放置した場合、わずか1学年あたりでも経済損失は約2.9兆円に達し、政府の財政負担は1.1兆円増加するという推計結果が得られました。これが1学年のみのデータとなっており、それを18歳までの子どもたちで計算すると40兆円という社会的損失がシュミレーションされるわけです。

また、この調査の中にはどの年齢に投資して支援をするのが一番効果があるのかというのも算出されていて、それによると未就学児から小学校低学年までが一番効率が上がるということも書かれていました。

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そしてこの調査データーによると、日本の子どもの相対的貧困率が16.3%に対し、愛媛県の貧困な状態にある子どもの割合が17.5%となっており、平均よりも愛媛の子どもたちの貧困状態は深刻であることもわかります。
※子どもの貧困の社会的損失推計~都道府県別推計~2016年3月11日改訂版より
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尚且つ、愛媛県がそのことについて深刻にとらえていないことが下記データーでも推測できます。縦軸が深刻度、横軸がそれに対する予算支出の高い低いが出ています。%e4%ba%88%e7%ae%97%e3%81%a8%e6%b7%b1%e5%88%bb%e5%ba%a6

居場所づくりの全国展開へ向けて

都市化が加速し、コミュニティーが弱体化する現代、貧困世帯が孤立して支援につながらず、結果として問題の深刻化を招いています。そこで日本財団は、行政や地域、その他民間のパートナーと協働し、「家でも学校でもない第3の居場所」を全国に100カ所設置し、地域社会とつながる場所づくりを目指していくそうです。※プロジェクトの概要

今回の調査内容が本として出版されています。

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日本の未来を考えるとき、すべての子どもたちの健やかな成長は必須の課題であると考えます。ぜひ一読いただき、みんなで考える機会を持ちましょう!

11月23日の森のようちえん活動報告

昨日は砥部町にある築150年の坪内家とその庭を利用してごっこ遊びから始まる子どもと森の物語「森のようちえん」を開催しました。参加者は子どもが22人、大人が20人と予想以上に多くなりましたが、子どもたちはあっという間に仲良く遊びだし、楽しい1日を過ごすことができました。ピザ窯で作ったピザも野菜がたっぷりのっていてボリュームたっぷり!裏庭にある深さ10mはある洞窟も子どもたちには大人気でした。(本当は洞窟ではなく、昔使っていた野菜の保存用の穴です。)


森のようちえんについて知らない方のために少しだけ説明しますと・・・

近年日本でも子どもをとりまく環境は一段と厳しさを増しています。なかでも幼児の自然体験をはじめとする体験活動の欠如が指摘されています。そのような中、乳児・幼少期の子どもたちへ自然体験の機会を提供しようと活動する団体や個人が増え、「森のようちえん」という呼び名の活動が全国に広まってきています。北欧諸国で始まったとされる森の幼稚園・野外保育ですが、わが国でも恵まれた自然環境を利用して様々なスタイルの活動が行われています。
しかし、愛媛では自然豊かなフィールドはたくさんあるにもかかわらず、「森のようちえん」的な活動をする団体が少ないのが現状です。今回のイベントをきっかけに、愛媛県でも「森のようちえん」的活動が県内に広まっていくことを願いイベントを開催することとしました。

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中四国で一番有名な森のようちえんは鳥取県智頭町にある「森のようちえん まるたんぼ」です。ココにも見学に行ったことがあるのですが、雨でも雪でも園外で子どもたちは自然に触れて1日中遊びます。フィールドは毎日違います。自然を周知したスタッフが厳選した場所を何カ所か用意していて、その中から子どもたちと一緒に考えて毎日山歩きをしています。子どもたちは自分たちの考えをちゃんと話してくれて、仲間との関わりもとても大切にしていました。こんな風に自然の中で毎日遊びこめる環境が愛媛県にもあるといいのにな~と思い続けてきました。

2回目以降の「ごっこ遊びから始まる子どもと森の物語」はまだ申し込みできますのでよかったらあそびに来て下さいね!

第2回興居島子ども体験活動の活動報告

自転車で興居島を半周(約10㎞)するちょっと過酷なサイクリングと馬磯のKBホームズが運営するピザ釜で昼食タイムを盛り込んだ今回のイベント。
雨が心配されましたが、予想外の晴れ間の出る最高の天気となり、無事イベントを開催することができました。


自転車だと車で走ると見えてこない、いろいろなものが見えてきます。島の景色のすばらしさ、牛を飼っている小屋、海を渡る船、風の音、波の音・・・。疲れた子が多かったと思うのですが、中にはもっと走りたいという子もいたりして、サイクリングの良さを多くの子どもたちが感じてくれたのではないかと思っています。

車で移動するチームの子どもたちは、動かない分エネルギーがありあまり、今日も海に入りた~いという子が続出!11月はさすがに寒いのではないかと思ったのですが、意外に温かく、みんな目を輝かせ海岸で戯れて遊んでいました。

みかん畑では、みかんの成長を見守りながら、雑草取りをしてくれました。地味な作業ですが、その繰り返しの中で美味しいみかんができることを少し知ってもらえればうれしいと思っています。

次回、1月29日(日)はみんなのおかげで美味しく実った伊予カンを収穫して、福島の並木幼稚園へ送ろうと思っています(^^)/

明日の興居島子ども体験活動について

興居島子ども体験活動2回目が明日開催されます。

雨等により自転車での移動が困難な時は車で移動することで、明日もイベントを開催することとしました。
馬越ではピザの用意と鯛飯なども用意してくれています。

明日も興居島の海を眺めながら子どもたちと楽しく過ごしてきます。
※参加希望されている方には変更事項をメールで発信していますが、届いていない場合は下記まで連絡してください。

NPO法人みんなダイスキ松山冒険遊び場事務局
090-1575-6275(山本)