コロナ禍だからこそ子どもたちに伝えたい!自然体験活動7月サマーキャンプ2021報告

開催日 2021年7月24日(土)~27日(火)3泊4日
場所 愛媛県松山市 離島 中島「ゆうきの里」
天気 4日間快晴

  昨年の全国緊急事態宣言からこんなにも長引くと思っていなかったコロナ禍。2021年5月には再び愛媛にも蔓延防止等重点措置が発令され、今年のキャンプ実施についても日々の世情の状態やニュースとにらめっこしながら、何度も何度もスタッフ間で意見を交わしてきました。

 それでも、こんな状況だからこそ私たち民間事業ができること。逼迫した子どもたちの生活の中から見えてきた課題を私たちだからこそ「心の解放」と子どもたちの「今」を大切にして実施することの意義を話し合い、様々な対策をしながらと参加者ご家族様へのご理解を頂きながら開催することができました。

 今年の子どもたちのパワーは制限された中での生活で内に秘めているものが多く、とにかくすごかった!!!

大人も子どももより自分らしさを発揮できた4日間となりました。

 7月24日(土)三津浜港発10:10のフェリーで中島大浦へ向かいます。おかえりが言える常連の子たちやはじめましての子もいろんな想いを抱え、元気に参加してくれたことに感謝です。

 毎年、使用させていただいている宿泊施設の「ゆうきの里」はゆうき生協さんが1979年「自然と命を大切に」の理念の元、愛媛で食の安心安全を求める生産者様と消費者がともに立ち上げた施設です。

 バイオトイレを導入しており、現代の子どもたちは衝撃を受けますが、仕組みや環境の循環の大切さを説明すると不思議と子どもたちの中には落とし込んで抵抗なく生活しはじめます。

 中島は水問題も重視しており、自分たちが住んでいるお家のように当たりまえに水道からでてくる水ではないこと、そして水がなくなるという経験。水の大切さを目の当たりにしました。

 過酷な環境だからこそ生み出される心の想いや何気ない日常生活の有り難さ。

葛藤したり、自問自答を繰り返したり、友情を深めたり。

 文字にすればたった3泊4日という短い日にちですが、ここで過ごす4日間は子どもたちにとっては一生のうちの大きな意味をもつ3泊4日だと思います。

 子どもたち一人ひとりを認めあう空間。やりたいことにとことん向き合う時間。うまくいかないことには誰かが手を差し伸べ、お互いが助け合う。みんなで何かを成し遂げる。

おいしいものをおいしいと共感しあえる。楽しいことには巻き込まれていく。

 様々な背景を抱え、今までの日常ががらっと変わり、学校生活も本当はしたくてもそんな経験をもできない現実。

 少なくともこの4日間は、心の底から笑っている子どもたちの姿がありました。

釣りでは、初めてリールに触る子もスタッフがついてつけ方から寄り添います。多くのヒットがあり、初めての経験をした子もたくさん。

自分で釣った魚は、調理班スタッフの元で、さばき方を学びます。自分で釣ってさばいて、自分で塩焼きをして、自分で食す。命をいただく循環の経験は何よりも贅沢かもしれません。

 海遊びでは、磯遊びを含め、様々な生き物を観察しました。

ひたすら砂に埋まって楽しむ姿も、友達やスタッフと浮き輪で遊ぶ姿も笑顔があふれていました。

 火おこしにも興味深々。海遊びの後の夕日を見ながらのドラム缶風呂は絶景で格別です。

2日目は、海遊びを早く切り上げ、ドラム缶風呂を長く楽しむ子たちも。

それぞれに思い思いでやりたいことを見つけていきます。

 毎年、恒例となったすいかおばけのフルーツポンチ作り。缶切りを使えない子たちが多いんです。このキャンプではあえて、開封取っ手がついていない昔ながらの缶詰を使用します。

使えないものへ発想力と集中力。缶を開ける経験もきっといつか何かの生きるヒントになるはず。

 例年以上に気温も湿度も高かった日中。熱中症対策とコロナ感染対策と健康管理と活動の安全対策等々。大人も子どもも自分たちの命を守りながらの活動。

水分補給と食事から摂る栄養補給。水筒がすぐに空になる暑さ。一日中沸かしまくりのお茶も間に合わない状態。朝ごはんは味噌汁で塩分補給をしっかり摂ったり、おやつにはスイカやおにぎりがあっという間になくなります。

 たくさん遊ぶ体はたくさん食べます。好き嫌いがある子も食事の楽しい雰囲気になれば文句もでてきません。食事の楽しさは、何を食べるかよりも誰とどんな風にどうやって食べるかかなのかもしれません。

 今年は虫博士も合流してくださり、虫を捕る仕掛けつくりも興味のある子どもたちとしました。

バナナとカルピス原液を発酵させたものをトラップにしかけます。翌朝、残念ながら狙っていたカブトムシとクワガタはいなかったのですが、多種な昆虫を観察することができました。

 中島の海に沈む夕日は格別。真っ赤に染まる海と空を見ながら子どもたちはぽつりぽつりと想いを語りあいます。ゆっくりと時間が流れる中、それぞれに抱えていることを自然に包みこんでもらう感覚は、言葉にしなくても気持ちが通じあいます。

常にフルストレージで忙しすぎる怒涛の時代を生きている子どもたちには大きな大きな充電なのかもしれません。

 ほっとしたゆるみや余白を子どもたちを見守る大人たち自身が大切にしなければならないことかもしれないですね。

 夜には、音楽フェスやカラオケ大会、キャンプファイヤーに満天の星空や流れ星観察、キャンプファイヤーの残り火でマシュマロ焼きなど、盛りだくさんな4日間を元気に無事に終えることができました。

 言葉では表すことができない程のたくさんのドラマが今年もありました。コロナ禍だからこそ、子どもたちに伝えていきたいこと。

こんなにも自由に子どもたちが笑いあえる世の中を私たち大人は次世代で受け継いでいきたいと願わずにはいられません。

 参加してくれた子たちが、そしてその周りの子たちが、周りの人たちが

笑いあい、その笑顔が伝わりあう世の中であってほしい。

「自分ってしあわせだな」って思える活動をこれからもして参りたいと思います。