中島キャンプ2025活動報告と2026年度のキャンプ事業について

中島ビギナーキャンプ・サマーキャンプ2025活動報告

2025年7月25日~27日の2泊3日でのビギナーキャンプ、8月22日~25日の3泊4日でのサマーキャンプを今年も松山市の離島「中島」にて開催させていただきました。

ここ数年の猛暑を受け、毎年お借りしている「ゆうきの里」に加え、今年は「宇和間農林漁業体験実習館」もお借りしての活動となり、2拠点を使用しての移動課題等はあったものの避難場としての安全面やクールダウンの場の活用として有効的に使用させていただきました。

毎年毎年、酷暑の中での自然体験活動と子どもたちの命を守ることの天秤にかけながらも、その先に出逢える子どもたちが乗り切る力に今年も多くの感動がありました。

サマーはおかえりの子の参加も多く、年に一度の同窓会的な子たちもいます。一方、ビギナーでは、初めましての子も多く、集合時には緊張感のほうが多く、スタッフとの会話もどこか遠慮がち。子ども同士もいろんな学校から来ていて、お互い様子をうかがいながらフェリーに乗ります。

ビギナー、サマー共に中島行きフェリーは乗船時間が1時間20分ほど。その時間を使って、各班での自己紹介や学年にわかれての自己紹介。スタッフも入り会話をしながら、緊張がいつのまにかほぐれ、自然と会話やゲームが始まっていく雰囲気へ。お菓子交換がいつのまに始まっていることや、共通の話題を見つけ、フェリーのデッキではアットホームな輪が中島へ着く前に、いつのまにかできているのが、毎年うれしい光景です。

 私たちのキャンプは参加した子どもたちと大人も共につくりあげていきます。釣りや魚さばき、海遊び時間、食事や自由時間など大きなプログラムはあるものの、それに対してやる、やらないを自分で決めていく。「自分の今の声」を聴いていくことも大切なプロセスです。もちろん集団生活なので、思い通りにいくことばかりではありません。むしろ、酷暑の中での不便な環境と関係性がまだ浅い人同士の寝食。我慢することも多くあります。

自分で楽しみを見つけていくことって意外と簡単なようで現代の子たちには苦手な子も多くいます。

「なにをしていいかわからない」そんな子も「どうしたい?」「これとこれならどっちやりたい?」「どういう風にやってみたい?」「どんな気持ち?」そんな対話を繰り返しながら、子どもたちの元々宿っている「好奇心旺盛」なエネルギーに触れると自ずと時間を重ねるごとに「やってみてもいいんだ」「やってみたい」「次にこうしたい」が湧き出てきます。

 子どもの心に宿る「遊び」のスイッチは子ども自身が持っていて、スタッフはそのスイッチがみんなにあるんだよ!とただ伝える役割だと私は思っています。そのためには、フルオープンでスイッチ全開な子、スイッチはあるけど自分で押せない子、スイッチがどこにあるか探している子のそれぞれの「多様」と「今」を大切にし、関わることで生まれるその先の自分自身で乗り越える力に出逢えます。

 「やってもいいんだ」の安心の先にあるのは、無限の探求心です。

釣りっておもしろい!海の生物って不思議!海遊びって楽しい!ごはんは美味しい!中島で見る夕日や星空はきれい!じゃあ、次に自分がやりたいことはなんだろうと考える。

もちろんうまくいかないことも多い。

家族と離れてさみしい。できない。どうすればいいかわからない。やってみたけどうまくいかなかった。

そんな経験が実はその子自身に大きな成長を促します。

どんな状態でも、ここには、応援してくれる仲間もいて、けんかできる仲間もいて、自分自身の壁にぶつかったときに多世代の人たちがいる。

 そんな光景が少しでも子どもたちの心のどこかに残って、いつかまたなにかの経験に結びつき、化学反応が起こることを願っています。

 最後に、今年のスタッフは若い次世代の子たちが多く携わってくれました。小学生から参加者として来てくれていた子たちが高校生リーダーとなり、同世代の仲間たちで声をかけあい、自分たちの経験を存分に発揮し、小中学生を導く姿。

初めて参加の大学生たちが自ら一生懸命役割を考えながら、小中高生とのコミュニケーションをとりつつ、悩みながらも自分たちも精一杯楽しんでくれる姿。

 次世代へ繋がれていくうれしさを今年は特に感じ、大人たちの役割として「明るい未来」をこの子たちへ渡したいな!と思わさせていただいた2025年の夏でした。

 自然体験活動が乏しくなってきた現代。しかし、愛媛には自然豊かな地域資源が多くあります。

海、山、川、里、林、森だけでなく、街中にも、日常にも実は目を向けてみると、至るところに「遊び」の材料はそこらへんに宝庫として転がっている。

 その「遊び」が子どもたちの心を育て、体を育て、脳を育て、自己を育て、社会性を育てていく。

子どもの命を守りながら、様々な視点を模索しながら、私たちも変化して参ります。

今年度も様々な場所から多くのお子さんのキャンプへのご参加、保護者様のご理解、高校生、大学生、学生さんたちのパワー全開の協力、そして全体を温かく見守り携わってくださった多くのサポートスタッフさん達に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。

NPO法人みんなダイスキ松山冒険遊び場
スタッフ  松本美知代(みっちー)

2026年度以降のキャンプ事業について

2015年から開始したキャンプ事業は2025年度で一度終了とさせていただきます。

これまでたくさんの子どもたちに参加していただき、保護者からの継続を願う声もたくさんいただいているのですが、地球温暖化に伴う気温の上昇により、夏のキャンプ事業はとても危険な状態になってきています。また、異常気象によるゲリラ豪雨や、地震などの災害にも気をつけながら活動してきました。

これまでは子どもたちの溢れるばかりのエネルギーとスタッフの熱い思いと、何度も何度も入念な安全対策を行いながら乗り切ってきましたが、2026年度については一度白紙に戻したいと思います。

キャンプ事業はたくさんの応援とご支援があったからできた事業だと思っています。楽しみにしてくれていた子どもたちとそれから保護者の皆様、ご期待に沿えず本当に申し訳ありません。

2026年度の活動については2026年4月以降にお知らせできると思います。

NPO法人みんなダイスキ松山冒険遊び場
代表 山本良子