遊び場通信8号 2009.3.20

  • 最新!遊び場情報!
  • 子どもの遊び大丈夫!?
  • 不審者対策!危険事項報告④
  • 子どもの言葉と大人の関わりを考える。
最新!遊び場情報!

PB290080穏やかな気候の春や秋には50人近くの子ども達が遊びに来る遊び場。

でも、冬や夏はやはり子どもの数が少ない。
それでも、毎週必ず遊びに来てくれる子どもたちもいる。どんなに暑い夏も、どんなに風の吹くときも、雨が降っても、雪が降っても・・・。

DSやPSP、カードゲームなど、最新鋭の遊び情報が飛び交う子ども社会。
その中にあって、外で仲間と思いっきり遊びたい子ども達は今も存在している。
その中でも今、一番気になる子ども達は、高学年男子グループの存在。
いつも私たちに威嚇の姿勢を見せつつ、かかわりをもちたがる?

公園の奥の方でゲームを楽しんでいるかと思うと、いつの間にか遊び場に参戦?
時折いちゃもんを付けにやってきて、また離れて・・・?

でも、毎週欠かさずいる?

低学年の子は学校ごっこや会社ごっこ、なわとびなどをしてボランティアスタッフや異年齢の子ども達と仲良く遊んでいる。
端材を利用した遊びの一番人気はやはり『剣作り』それ以外にも『いす』や『棚』、おうちの一部?のようなものを作っている子もいる。
ダンボール遊びの一番人気は『お家作り』。それから『落とし穴の材料』とか、組み立ててつぶして遊んでいたりする。

これから暖かくなって、子どもの遊びは活発になる。木に登ったり、
水を使ったり、どろだらけになって遊んだり・・・。

子どもは元気いっぱいに遊びだすんだけど、ケガもしやすい季節。遊び場スタッフも今まで以上に気持ちを引き締めて見守っていこうと思っていますが、ご家庭でも『冒険遊び場のお約束』を子ども達に再度伝えてください。

◆遊び場のお約束 ~モットーは「自分の責任で自由に遊ぶ」です~

① この遊び場は他の公園とちがい自分のやりたい遊(あそ)びを自由にできる遊び場です。
② でも、かなづち・のこぎりなどは使い方をまちがえると、自分もケガをするし、お友だちがケガする危険もあります。だから、危ない使い方を絶対しないでください。それから危ないことをしている子がいたら、すぐ大人の人に伝えに来てください。
③ 使ったものは必ず、自分で片付けてください。
④ 帰る時は必ず,受付に声をかけてください。
⑤ それから当たり前のことだけど、他の人の迷惑にならないように遊びましょう。

※これは「飯岡公園であそぼう!」での遊びのお約束です。

子どもの遊び大丈夫!?

今も昔も変わらないこと・・・それは子どもはとてつもなく好奇心旺盛だということ。子どもの好奇心に大人達はたじろぎ不安を感じ、「危ない!」「危険!」と思われるものは排除することで、子どもを危険から守ってきた。しかし、今とうとう子どもたちを守ることのできない怪物が現れたのである。
それがゲームであり、ネット社会の到来なのである。

なぜ危ないのか・・・それはほとんどの大人たちがそれをどう使うと危なくてどう使うと安全に利用することができるのか、今はまだわからないこと、未知の世界が多いことが問題を大きくしているように思う。

でも、子どもの遊びには実を言うと『未知の世界』が必要不可欠!
わくわくドキドキ、スリルがあるから面白い!

だけど、やっぱり心配!
私達大人が「安心!安全!に子どもが元気に地域で過ごすことのできる社会とはどんな社会なのか!?」ということをもう一度考える時代が来たように思うのは私だけだろうか?

不審者対策!危険事項報告④

昨年この地区で遊び場にたまに来てくれているおじさんが不審者と間違えられ、学校から不審者情報が流れた事をご存知だろうか?

そのおじさんもそのことについてはとてもショックを受けているようだった。しかし、現実問題、善良な市民が地域の子ども達と遊んでいるだけなのに、警察に通報されているケースは以外に多い。
その原因は地域の子どもたちと関わらない大人が増え、尚且つ共働き世帯の増加、凶悪犯罪の増加により親が子どもの遊び環境に予想以上の不安を感じている証拠なのではないだろうか。

しかし、この地区にも現実に不審者はいる。

でも、それを見極める事はきわめて難しい。もしそいつを捕まえるとしたら、子ども達に何らかの行動を起こしたときに現行犯での立件でしか捕まえることはできない。その時、地域の人が誰も気付いてくれず、ひどい事をされたとしたら・・・絶対そんなことはおきてほしくない!
だから、地域で子どもを見守るしかないと思っている。犬を散歩させている人やお買い物途中の人、運動の為に公園に来ている人がいつも子どもに声をかけ、『あの子は今日も元気に遊んでいるみたいだね♪』と思ってくれる人が増えるだけで、この地域に不審者はいなくなるのではないだろうか。
そして善良な大人が子どもと遊んでいても不審者と思われることはなくなるのではないだろうか。

子どもの言葉と大人の関わりを考える

社会の中で育まれる日本語が今乱れていると言われている。

文化庁の19年度の調査によると「今の国語は乱れていると思うか」という問に対し「乱れていると思う」人の割合は、8割ほどになるという。

今、子どもたちの中で当たり前に使われている言葉・・・「きもい!」「うざい!」「しね!」・・・自分という存在すべてを否定されるこれらの言葉を毎日浴びせられたとしたら・・・生きることすら否定されているのではないかと錯覚に陥ってもしかたないかもしれない。

ある意味暴力より恐ろしい。

しかし、ほとんどの子はそんな言葉を浴びせられた時、防衛反応で負けじと同じような汚い言葉を相手に浴びせ自分を守る。

ある程度その段階が過ぎると汚い言葉を仲間同士では少し控え、今度は仲間以外の違う相手をターゲットにすることで仲間意識を強固にしていく。

ある日、PTA関係の行事で私(遊び場では「よしこさん」と呼ばれています。)が学校に行った時、遊び場に来ている子に『こんにちは!元気!』と挨拶したら、その子に
笑顔で「良子ババーしね!」っと、言われてしまった。

このような経験は子どもと仲良くなればなるほど多くなる。

本当は自分のことが分かってほしいし、好きになってもらいたいのに、汚い言葉で罵ってしまう。

しかし、興味のない人には言わないし、恐い人には丁寧語でちゃんと話す。その場その場のTPOをわきまえているからスゴイ。

それは、その子自身が今まで生きていく中で培ってきた仲間を作るノウハウであり、誰かにわかってもらう為の手段なのではないかと思う。

大人社会ではこんな事をしていたらいつかみんなに相手にされない。そのことは発達段階をふむ中での経験で少しずつ学んでいくのだと思う。

現に、中学になればほとんどの子がそこまで罵ることはなくなっていくことがすごいとまで思ってしまう。

汚い言葉を言ってしまう子にはさまざまな原因があり、その原因のほとんどは子どもに責任があるのではなく、育つ環境に問題があると思われる。

今回はそんな子どもの言葉の問題に焦点を当て、社会福祉士の友川礼さんにお話を聞いてきました。

友川 礼さんの紹介

広島出身の社会福祉士。2009年2月28日高島屋で小渕優子小子化担当大臣が来松した中で行われた「地域で育む、我が子・人の子・みんなの子 ~産む喜び、育てる楽しさ~」(塩崎事務所主催)のパネリストとして参加した友川礼さん。子ども虐待に関しては現場で体験を積み、現在、愛大医学部のあいナビステーションに勤務し、「まつやま子育てNPO連絡会」も支援してもらってます。

問:子どもの言葉が乱れてきた原因は何だと思われますか?

友川:子どもの言葉の乱れは、身近な大人からの不適切な関わりを受けている子どもからのSOSサインの場合が多いと思われます。

子ども自身が発した言葉で、相手が不快な思いをしている事が分かっているのに、執拗に「きもい」「うざい」「しね」という存在をすべて否定される言葉を繰り返し使う場合、それを子どもに日常的に多用している大人の存在が想像できます。そして、子どもは教えられたことを他者との関係でそのまま披露しているだけかもしれません。

朝、目が覚めた時「おはよう」ではなく、「ぐずいな、さっさと起きろ!」で1日がスタートする子どもは、人との最初の出会いの場面でも、仲良くしたいなと心では思いつつ「はじめまして」ではなく、「うざいな!おまえ」あるいは「ちらっと相手をみるだけで、無視をする」などになることもあるのです。私は以前の仕事で、大人による不適切な関りを受けた子どもと寝食をともにして、親の代わりに身近な大人として生活し、支援していく仕事をしていました。そこで出会う子どもに共通する傾向でした。

これは大人の関わりが人との付き合いが下手な子どもたちを育て、子ども自身の自己肯定感を下げて被害者にするだけでなく、他者との人間関係において加害者にもしてしまっているということになるのです。

また、大人から傷つけられ、信頼できる関係を体験したことのない子どもは、新しい人間関係で無意識又は意識的に相手の怒りや悲しみを引き出す言動をしつこく繰り返すと言われています。特に、子どもが仲良くなってみたいと思う相手ほど、その言動は激しくなります。これは、子どもが2つのことを試すためだと言われています。

1つは、相手が本当に信頼でき、自分を傷つけない安全な大人かどうかを試している。もう1つは、少し複雑な心理状態で理解しにくいかもしれませんが、相手にわざと嫌われるようなことをして、嫌われて「やっぱり、自分は誰からも大事にされないんだ。」ということを確認したいというものです。

「誰かを信頼したい!」と、思う半面「信頼できる人なんていない!」・・・そして自分は大切ではない子だという考えを強化する複雑な心理状態なのです。

問:問題をおこさない子どもがいきなり切れて犯罪を犯すケースが増えていますが、子どもの心に何が起きていると考えられますか?

友川:メディアでは報道されませんが、犯罪に結びつくまでに子どもは必ず途中でサインを出していることが多いです。

その背景には、親からの不適切な関わりによるストレス、発達障害、精神障害をもつ子どもの特性や生活上の困難に周囲は気付かず、即存の教育方法や枠の中に押し込んで、子どもに不必要なストレスを与えている事などが考えられます。

問:子どもが元気に育つために、私たち大人が今、していかなければいけないことは?

友川: 今、出産するまでに子どもに接触したことのない母親が5人に2人の時代です。

これは、子どもを産み育てる年代の女性だけでなく、おそらく、大人社会全体が子どもに関心を持たなくても生きていけるようになっているのだと思います。

これから私たち大人が子どもたちが元気に育つためにやっていかなければいけないことは、子育て中の大人以外の老若男女が子どもに関われる機会をたくさん作りだしていくことだと思います。

個人的な関わりとしては、大人が心も体も元気であることです。

言葉の問題に戻すと、大人同士、大人と子どもが「言葉の乱れ?」についてお互いの考えをたくさん話し合うことだと思います。

そして、大人が実践することです。

子どもは「口で伝えたことよりも、見たことから学ぶ」と言われています。

子どもの目から見て、大人の所作が「かっこいい」と感じられたら、何よりの説得力と実行力です。

かくいう私も、いつも子どもから「まずは自分から実行しなきゃね♪」と言われています。