遊び場通信17号 2012.11.20

遊び場通信17号

  • 苦情について考えてみた
  • 遊びにおけるリスクとハザード
  • 中国四国冒険遊び場フォーラムに参加して

 

 

 

 

苦情について考えてみた

今回、冒険遊び場が休止になった原因の「苦情」について、自分なりにずっと考えてきた。

この6年間、自分でも気付かなかったことだけど、いつも「苦情」に脅えている自分がいたように思う。

最近では見ることのない冒険心がいっぱいの遊びの数々を、地域の人が見たとき一体どう思うんだろう?

そんな不安が当初からあった。

公園で子ども達が遊んでいることといえば、遊具を使う遊びと、鬼ごっこぐらい。それ以外はDSか、カードゲームをしている姿しか見なくなっている。子どもが遊ぶ姿さえほとんど見ることがなくなった公園も増えてきている。

だから、公園とは「静かな場所」と、イメージしてしまう地域住人が増えるのも仕方がないことかもしれない。

しかし、地元の人に昔のことを聞くと「昔は、毎日近くの山で遊んで、木にも登っていたし、田んぼで走り回って、川でも遊んでいた。」とほとんどの人が答える。四十代ぐらいの人も、そんな経験をもっている。原因はわからないが、確かに、最近まで松山という町は私たちのような活動家がいなくても自然発生的冒険遊び場が存在していたのだ。

と、いうことは、私たちに苦情を言ってきている七十代前後の地元の方々だって、子どもの頃は弁天山で木に登って、隠れ家作って遊んでいたに違いないわけで・・・。

そういえば、冒険遊び場休止の話し合いの時、町内会長が漏らした一言、

「近くに山があるんだから、あそこで木に登ったらええじゃろ!」に思わず私は心の中で「えー !!??」と叫びたくなった。

弁天山は「マムシ」がいるから遊べないとか、「野犬」がいるから遊べないとか言われて、「山遊び禁止」は地域の中で暗黙に定められている。学校でも、そのことはことあるごとに注意を受けている。

それなのに・・・?

なんだか変だと思いませんか?
①苦情を言っている人は、子どもの頃に今の子ども達よりもっとダイナミックな遊びをしているはずなのに、今の子どもたちの行動に怒っている?
②山で遊ぶことはダメだと思っていない感じ?
③でも、私たち世代からすると子ども達を、山や空き地、田んぼ、川、道路で遊ばせることが出来ないから、やむおえず「公園」ぐらいはのびのびと遊ぶ場所として使わせてほしいと思っている。
④公園で遊ばせたいだけなのに、見守る側が脅えてしまう社会環境。

「苦情」を言う人たちの世代の考えと、私たち世代の考えにはどうしても時代の壁があって、交わることはないかもしれないけど、でも、話し合えば、きっと未来は見えてくる。

「禁止」とか「使わせない」じゃくって、話し合ってその場所その場所のルールを作って、子どもと一緒に考えていけば、絶対「道は開ける」!

これは、松山だから出来ることだと思う。

自然が子どもの育つ環境に今でもいっぱい残っているということは最高の子育て環境なんだから、有効に使うべきなのではないだろうか。

遊びにおけるリスクとハザード

子どもは、遊びを通して冒険や挑戦をし、心身の能力を高めていくものであり、それは遊びの価値のひとつであるが、冒険や挑戦には危険性も内在している。

子どもの遊びにおける安全確保にあたっては、子どもの遊びに内在する危険性が遊びの価値のひとつでもあることから、事故の回避能力を育む危険性あるいは子どもが判断可能な危険性であるリスクと、事故につながる危険性あるいは子どもが判断不可能な危険性であるハザードとに区分するものとする。

リスクは、遊びの楽しみの要素で冒険や挑戦の対象となり、子どもの発達にとって必要な危険性は遊びの価値のひとつである。

子どもは小さなリスクへの対応を学ぶことで経験的に危険を予測し、事故を回避できるようになる。また、子どもが危険を予測し、どのように対処すれば良いか判断可能な危険性もリスクであり、子どもが危険を分かっていて行うことは、リスクへの挑戦である。

ハザードは、遊びが持っている冒険や挑戦といった遊びの価値とは関係のないところで事故を発生させるおそれのある危険性である。

また、子どもが予測できず、どのように対処すれば良いか判断不可能な危険性もハザードであり、子どもが危険を分からずに行うことはリスクへの挑戦とはならない。

リスクとハザードの境界は、社会状況や子どもの発育発達段階によって異なり、一様ではない。

子どもの日常の活動・経験や身体能力に応じて事故の回避能力に個人差があり、幼児が小学生用遊具を利用することは、その遊具を安全に利用するために必要な運動能力、危険に関する予知能力、事故の回避能力などが十分でないため、ハザードとなる場合がある。

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中国四国冒険遊び場フォーラムに参加して

子どもたちが思いっきり遊べる空間が少ない都市部から始まった冒険遊び場活動。日本で冒険遊び場活動が開始され30年以上の歴史を刻んでいる。

しかし地方は、「都市部には冒険遊び場的場所が必要だけど、地方はまだ自然が残っているし、地域の中で子どもを見守る雰囲気があるから必要ない。」と思っている人がまだたくさんいる。

しかし、日本全国どこでも子どもが育つ社会環境は変わらなくなってきている。

なぜか・・・
①まず、少子高齢化問題は都市部より地方のほうが深刻。
②子どもが遊ぶ内容・環境は都会も地方も変わらない。
③共働き世帯の増加。
④地方の子どもも自然の中で遊ばなくなってきている。

それではなぜ冒険遊び場的活動が地方では広がらなかったのか?

今回のフォーラムはこの問題について、考えることができたことが、私としては一番嬉しかった。

そして同じ問題を抱えた団体同士で、悩みを語りあい、励ましあえたこともよかった。

これからも、繋がることで広がる可能性を大事にし、だからと言って他をまねるのではなく、自分たちのやり方で、地域の魅力を大切にして活動していこうと思う。

 

中国四国冒険遊び場づくりフォーラム&プレーリーダー会議の内容

日時:2012年10月6日 – 2012年10月7日
場所:サンピーチOKAYAMA

■分科会
・ケガ・事故への対応/嶋村仁志氏(TOKYOPLAY代表)
・リスクとハザードを考えた場づくり/石田太介氏(にしのみや遊び場つくろう会)
・資金調達の仕組みづくり/石原達也氏(NPO法人岡山NPOセンター)
・行政とのパートナーシップ/菅博嗣氏(造園家・まちづくりプランナー)

■全体会
「各分科会で学んだことをシェアしよう」
特別ゲスト/大村虔一氏(日本冒険遊び場づくり協会代表)

■シンポジウム
「持続可能な冒険遊び場づくり活動を目指して」
コーディネーター/梶木典子氏
話題提供者/大村虔一氏、天野秀昭氏
小島郁子氏(地域運営委員中国地方担当)
山本良子氏(地域運営委員四国地方担当)
美咲美佐子氏(岡山県冒険遊び場づくりネットワーク代表)他

■プレーリーダー会議
「あつまろう!語ろう!!プレーリーダーのこれから」
コーディネーター/松田秀太郎氏(おかやまプレーパークプレーリーダー)
嶋村仁志氏(TOKYOPLAY代表)
行政とのパートナーシップ